「ここ数年、凶悪犯罪が増えていますが」と言うことですが、実は統計で見る限り昔の方が凶悪犯罪は多かったのです。
それと、すでに死刑制度のある国は少数派となっていますが、廃止した国では凶悪犯罪は減少しているとの調査結果もあります。つまり犯罪の抑止効果がないのですね。
被害者や遺族の感情を死刑賛成の根拠に挙げられる方もいるようですが、先日アメリカのテキサス州で行われた死刑再開反対集会で、「死刑で遺族が救われることはない」と遺族自身が訴えておられました。その遺族は、『「犯人を死刑にしてほしい」と願った時期もあったが、98年に犯人の処刑に立ち会って認識が変わった。「恐怖だった。死刑に対し怒りがこみ上げてきた」』とのことです。
私自身も死刑はどちらかと言えば反対なのですが、それは上記の理由からだけではなく、果たして死刑が刑罰として有効なのか?と言うことなのです。
ある種の人、つまり死を覚悟してあるいは死を望んで犯罪を犯す人間に死刑を適用しても、喜ばせるだけなのではないか?と言う疑問が浮かんだのです。
具体的には7年前の池田小事件です。犯人は死刑判決を望み、死刑判決を受けても「死刑確定後の6カ月以内の死刑執行」を求め、挙げ句の果てに「死刑は、殺される刑罰や。6ヶ月過ぎて、いつまでもいつまでも、嫌がらせをされる刑罰ではない。すぐ殺せば、ダメージがないので、しばらく嫌がらせをしてから執行する。そんな条文が、あるんか」とまで言ってのけました。
刑事訴訟法によると6ヶ月以内に執行することになっているのだそうで、法務大臣に刑事告訴まで予定していたそうです。
こんな人間に死刑で何の意味があるのか?
こうなるとより残虐な刑の方がいいのではないかと思うようになりました。
具体的には江戸時代のような市中引き回しでさらし者にするとか・・・。
もちろん、こんなことは現代社会では無理でしょうが。
そういう意味では終身刑の方がより残虐との見方もあるようです。あらゆる自由を奪われて生きながらえなければならないのですから、死をおそれない、死を望む犯罪者にはこちらの方が良い方法に思えます。