私も心霊現象なるものを信じたことはありませんでした。
心霊写真、心霊現象、そのような物は偶然の産物、あるいはこじつけなのではないか?、とそのように考えていました。
しかし、身内に起こった信じられないような話を母から聞いて戦慄したことがあります。・・・それは、母の妹(私の叔母にあたる)が16歳ごろに友人らと3人で山にハイキングに出かけたときのことです。いっしょに3人連れ立って登っていたところ、叔母の友人2人は途中で疲れてしまい、「この辺で休もう」と言い出しました。
しかし、叔母だけは疲れを感じていなくて、友人2人の休もうとの提案にもかかわらず、「私はもっと先で休みたい、この先はなんか面白そう」と言って、友人2人を置いて登って行きました。少し疲れを感じ始めたころ、水の音を聞いて山道の脇にある沢の方に降りていったのです・・・。しばらくして友人2人は休憩を終えて山道を登っていきました。山道はわき道のない一本道なのですが行けども行けども叔母の姿が見えて来ないので辺りに声をかけながら80メートルほど登って行きましたが、返事はありませんでした。辺りは次第に暗くなり、途方に暮れた2人の友人たちは引き返して山を降りて地元の人に助けを求めました。地元の青年団たちが探してくれてその日のうちに見つかったそうですが、見つかったとき、叔母は「赤い眼」を大きく見開いたような状態で川の水の中に座り込んで話かけても口が聞けなかったそうです。
帰宅して数日間、目を大きく見開いたまま口も聞けないことを心配して病院に連れて行って、検査をしてもらってもどこにも異常が見当たらない・・・そこで数日間、学校を休ませて自宅療養することにしたのですが、そのうち原因不明の高熱が出始めました。自宅に医者の往診を頼みましたが、医者は首をひねるばかり・・・このままでは学校にも行かせられない・・・困った家族は知り合いの寺の住職に話をすることにしたのです。「狐憑き」・・・それが原因だったのです。