仕事で英語、となると即時的なその場しのぎのアプローチと恒久的な使える英語を身に付けるアプローチの2つを同時進行させることになると思います。なぜなら、恒久的に使える英語を身に付けるアプローチは使える英語になるまで、日本にいて独学で行う場合ある程度長い期間の訓練が必要となるため、それまでの間はその場しのぎの英語で仕事をせざるを得ないからです。
まず、その場しのぎのアプローチですが、自分が読み聞きした英文のパターンで使いやすく、汎用性のあるものをいくつか覚えて、そのパターンでなるべく多くのことを表現できるようにすることです。あとはキーワードだけ並べて相手が思いを汲んでくれることに期待しましょう。また、読む場合ですが、相手がネイティブでない場合、変な英語もありますので注意しましょう。社内(あるいは特定の取引先との間)でしか通じない英語もあります。(日本語でもそういうのがありますね。)相手がネイティブでない場合は、その英語が正しいかどうかを区別することも必要です。苦労はしますが、とりあえず、あなたなりのアプローチで当面の間をしのぐしかありません。このアプローチの行く先はどこまで行っても、とりあえず英語が使えるものの、英語を使うのが大変という領域から出ることはできませんが、当面は即効力(とはいっても何とかコミュニケーションが取れる程度の最低レベルのものです)があると思います。
ここまでは泳げない人を足のつかないプールに落とすような感じです。下手でも何でもとりあえず、おぼれないようにするだけで、決して上手く泳げるようになったわけではありません。次に楽に泳げる方法をお知らせします。ただし、ある程度の時間が必要です。
さて、恒久的に使える英語を身に付けるアプローチですが、これはあなたの頭の中に幼年のあなた自身を想像させて、その子に英語で考える訓練をさせるというものです。一日最低一時間あなたはその子供になって、"Mom, milk." 程度の日本語を介さずに理解できる英語をインプット・アウトプットしてゆくのです。英語の文や音と意味するところを日本語を介さずに結びつけるのです。"I like a dog." とか "What's that?" ぐらいだったら初心者でも日本語を介さずに理解できると思います。もっと難しい文でも日本語を介さずに文とイメージが直結できるようであればそこから始めてください。そして、日本語を介さなくても分かる英語をまずはどんどんインプットしてゆきます。とにかく量です。すると頻度が高いものは自然と頭に残ります。
英米の子供が読む本を読んで見ましょう。あなたの英語年齢に合わせたものを選んでください。分からないところは辞書をひかず、放っておいてもよいでしょう。あなたが子供の頃、本を読んで分からない漢字にでくわしたときに、いちいち調べずにいても、いつの間にか文脈から意味が分かるようになったことと同じことが英語でも起こります。まずは、インプットです。そして、焼きついたパターンを利用して日記をつけてみましょう。さらに、バリエーションを増やしましょう。アウトプットする場合も自分の頭に描いたものを直接英語にするのです。微妙なニュアンスなど初めは欲張らないこと。とにかく日本語を介さないことに重点を置くことです。
こういうトレーニングを例えば寝る前に最低1時間やりましょう。お酒が入っていてもOKです。かえって、「くだらない」とか「本当に効果があるのか」といったような余計なことを考えずに楽しくできるので多少酔っていた方がいいかも分かりません。トレーニングを続けて2年もすれば、あなたの中の英語キッズはそこそこの成長をとげ、あなたの仕事の英語にも結構役に立つ(自然と英文が浮かんでくる)ようになります。何より、楽に英語が使えるようになります。
それから、業界用語というものがあり、これだけはネイティブでも専門外だと知りませんし、普通の新聞・雑誌では接することができません。こういったものについては関連分野のサイト(最初だけ無料で便利だなと思った頃に有料になるものもあります)を利用したり、自分で用語集を作ったりするなど工夫してください。また、どうしても適切な訳ができない場合は一番近い表現で表した上で注釈を入れて誤解を防ぐこともできます。
あなたが日本語を覚えたことと比べれば上記のトレーニングはそんなに大変なことではありません。英語はメジャーな言語の中では一番簡単な言語ですし、それが理由で世界の言葉になったと思います。