私は今では別の仕事をしていますが、
実は以前市役所で固定資産税の家屋調査をしていました。
このような調査には全部で600件くらい伺いましたでしょうか?
(それでも少ない方ですが)
一応経験を元に書かせて頂きますが、
税制や家屋評価基準の変更などがよくありますし、
また市町村によっても評価基準が違う場合があるので
あくまで参考程度に考えて下さい。
固定資産税の訪問調査では
「家の作りが建築基準法に合っているか」は基本的にあまり関係ないです。
(そちらの調査をするのはまた別の部署ですし
建築中に調査を済ませることも多いです。)
あくまで「現在の状態」を元にして評価します。
なお、家屋評価額は都道府県税である
「不動産取得税」の算定にも使われます。
(担当機関が違うので注意して下さい)
図面は貸してもらうこともあれば
事前に作っていくこともありました。
それで部屋ごとにどんな素材が使われているか、
作り付けの設備は何がいくつあるかなどを調べます。
家の基本構造(木造・2×4・軽量鉄骨等)によっても
評価基準は違いますが、素材や設備等は
国によって全国一律の基準点(価格)が決められており、
それを元に設備の数や素材の使用量から評価額を算出します。
(その後で寒冷地補正などがかけられます)
調査の際は全ての部屋をチェックします。
(階段下収納やトイレも含みます。)
恥ずかしいと思われる方もいらっしゃいますが
実際の調査では家の作りの方に神経がいっていますので
綺麗かどうかなどはまず気にしないです。
また、引越し直後で荷物が置いてあるなど
どうしても入れない部屋がある場合は
お住まいの方に尋ねることもあります。
かかる時間は家の大きさ・作りの複雑さにもよりますが
私が調査を行っていた頃は大抵の家は30分前後で済みました。
(豪邸だと1時間以上かかることもありますが・・・。
恥ずかしながら最初の頃は豪邸を調査中に家の中で
迷ってしまったことがありました。)
調査が終了した後に固定資産税の説明を行い、
お住まいの方の質問を聞いて終わりです。
なお、具体的な金額は実際に計算しないと算定できないので
質問されても完璧に答えるのは不可能です。
私、及び当市の調査員は過去の坪単価等を元に
実際より高めに試算してみて「この位あれば収まります」と
説明していました。
参考として購入額を尋ねる場合もありますが
それを評価に反映させることは当市ではありませんでした。
業者によって利益分の「上乗せ額」が違いますので・・・。
ほぼ同じような作りで評価額もほぼ同じ家屋でも
業者が違うと購入額も大きく違うということもありました・・・実際。
なお、元営業マンさんがご説明された税率ですが、
実は税率は市町村ごとに違います。
固定資産税は法律での基本税率が1.4%、上限2.1%なので
市町村によっては税率が1.45%や1.5%などのところも存在します。
また、都市計画税の税率及び課税される地域も
市町村によって違います。(全く課税していない市町村もあります)
税率に関しては家屋の固定資産税担当職員
(調査に来た人でいいと思います)
に質問すれば教えてもらえますしそれを書いたパンフレットを
評価の際に渡していく場合もあります。
税金に関しては疑問点や相談したいことがあれば
担当部署に連絡して解決した方がいいです。
(職員はそれが仕事です)
あくまで私の経験ですが、
家屋を新築・購入する場合に建築費用そのものはよく吟味しても
税金関係(税額・課税基準等)には無頓着な方が多々見受けられました。
そして、事前に相談なり質問なりして課税基準を知っていれば
何万・何十万円単位で諸々の税金が減ったはずの方も・・・。
建築完了した後だともう遅いので、
ほんのわずかな設計変更でトータルの課税額が
高くなってしまうことが現実にあります。
建築後にそのことを説明するのは非常に心苦しかったのですが
法で定められていることなので一般職員にはもう何もできません。
(勝手に税額をごまかしたら捕まるのは職員の方です)
疑問点・不安な点等ございましたら
役所の担当窓口に相談されることをお勧めします。