大学は「どうしても行かなければならない所」ではない、とは思います。
メリットは、過去・少なくとも現在では、1 就職面 2 給料面 そして、しいて言えば3 体面などで有利である事は否めないでしょう。また、4 ご本人の努力次第ですが高い教養が得られる事、それに、5 多くの大学では比較的自由な時間が得られる事でしょう。
一方、デメリットは、(1) 授業料その他諸々経費が高い事(これはメリット面で記載した1,2,3の裏返しになりますね)、(2) メリット面記載の4,5部分の裏返しになりますが、燃えていないと目的・目標をすぐ見失いやすい事・流されやすくなる事などが挙げられるでしょう。
メリット面で記載した事も、あくまでも少なくとも現時点でのお話でしょう。定員割れする大学・短大等が多発しそうな様相を呈している現在、将来的にもずっと1就職面・2給料面が保証され続けるとも言い切れないと思われます。大学出という学歴偏重社会が今後ずっと続くかどうかですら将来の事ですから分かりません。これらと併せて、3体面は、親御さんの問題という方もあるでしょうが、結局の所、本人にかかわる問題に帰結するでしょう。
4高い教養を得られて良かったとご本人が思え感謝出来れば、大学のネームバリューなど全く無関係に、本人にとって本当に行った甲斐・価値があったと言うことになる事でしょう。
5 多くの大学では比較的自由な時間が得られると言う点も見逃せないと思います。仕事に就業されたとしますと、時間的にはかなり制約されてしまいます。もし専業で大学に行く環境にあれば、若い時間をフルに将来像を考える時間に当てられるというメリットがあり、大学本来の目的と思われる4と併せて、この点は大きいでしょう。この点については後述します。
一方、デメリット面でも、(1)もしもですが、大学にかかる諸経費がそれ程苦にならない親御さんであるならば、経費面は無関係になりますね。
そして何よりも(2)やはり、大学に行くのはご本人ですので、本人がそれをやる事に燃えていないと目的をすぐ見失いやすい事=目標見つけられないと余り意味のないことになってしまうのではないでしょうか?
このように見てきますと、結局、ご本人のためをお考えならば、大学とはメリット面・デメリット面全てを天秤にかけ、どちらが重たいか軽いか、ご本人の意向を尊重しながら、人生経験豊かな親御さんの人生アドバイスを混じえながら、決定する事のように思われます。
ご本人が行きたくないと思われていらっしゃるようですが、若く人生経験もご豊富ではないでしょうから、メリット・デメリットを客観的にお伝えになった上でお話し合いをする必要性はあると思います。将来どんな事をしたいのかなど、突っ込んだ話をじっくり出来る、絶好の機会ではないでしょうか。
その上、もしも、どうしてもやりたい・燃えている何かがあるのならば、それをする事もご本人の幸せでしょう。幸せに押し付けは通用せず、本人にしか分からないものだからです。何も杓子定規に大学と押し付ける必要もないでしょう。ただ、この場合でも、自分で選んだんだからその後の責任は全て自分にあると言う事はしっかりお伝えになっておくべきだと思います。ただ、これが曖昧であるならば、大人になる事を目前にして親が手助けしてあげられる選択肢の一つとして、大学を選び希望すれば行かせてあげる気はあるよ、道は閉ざされてはいないんだよ、こんなにわが子を愛しているんだよという事を伝えるレベルの問題ではないでしょうか。
結論的には、大学はどうしても行かなければならない所「ではない」と考えております。