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植物図鑑を見てみると「ヤマイモ」の雄株と雄花しか載っていません。
普通実(ヤマイモなら「むかご」)は、雌株(があるのなら)の雌花になるのでは?と思うのですが。
ヤマイモ(食用の根の部分)も、雌株に出来るものなのでしょうか?
それとも、そもそもヤマイモには雄株と雄花しか無いものなのでしょうか?
詳しい方、教えてください。

  • 質問者:とんとこ
  • 質問日時:2009-09-22 23:46:00
  • 1

【ヤマイモと言う名前について】
まずヤマイモという名前なんですが。

・ナガイモ(中国原産の栽培種)
・ヤマノイモ(日本産の野生種、自然薯とも呼ばれる)

の異なる2種類を,まとめて呼んでいる名前だと思います。
場合によってはもう何種類か含みますが,ヤマノイモ科ヤマノイモ属の植物をまとめた俗称であって、正式な名称ではありません。


【ムカゴ、実、芋の違い】

 さて、本題です。
 大きな誤解があるのですが,ムカゴと実は根本的に全く異なるものです。

 「実(種)」は、花と言う生殖器官を通し、異なる2個体の遺伝子が合わさって、新しい子孫を作る「有性生殖」と言う形態です。これは、雄株の花粉が、雌株のめしべにつく必要があり、実がなるのはめしべのある雌花(雌株)のみになります。

 それに対して「ムカゴ」は,1個体が自分の細胞だけから作る,クローンをばら撒く為の特殊な「無性生殖」と言う形態です。自分ひとりだけで作ることができるため、雄株にも雌株にも関係なくなります。

 また、イモ(食用の根の部分)も、形は違いますが、ムカゴの様に栄養を溜め込んでクローンを作るための「無性生殖」の器官です。ムカゴが小さいものを「たくさん」ばら撒くと言うスタイルに対して、イモは数は少ないがたくさん栄養を溜め込んで「確実に」クローンを残すと言う戦略の違いがあるのだと思います。
 これも,自分ひとりだけで作ることができるため,雄株・雌株を問わず出来るものです。ただし,雌花→種子を作るプロセスを持つためそちらに栄養を回さなければならない雌株では雄株に比べてイモが小さくなる傾向があるようです。


無性生殖 : 栄養を溜め込んであるクローンを作るスタイル(芋、ムカゴ、球根など)。
有性生殖 : 花を通して異なる遺伝子を混ぜ合わせるスタイル(種子)。

と言う違いがあると覚えて下さい。基本的に♂♀関係あるのは有性生殖だけです。


【おまけ:芋】
サツマイモでは根に栄養が溜まったものがイモと呼ばれ。
ジャガイモでは地下の茎に栄養が溜まったものがイモと呼ばれています。

ヤマノイモは根・茎のどちらでもなく、「根を生やす土台となる特殊な器官」=「担根体(根を担う)」と言う器官に栄養が溜まったものが、イモと呼ばれています。

この回答の満足度
  
とても参考になり、非常に満足しました。回答ありがとうございました。
お礼コメント

すごくわかり易く教えてくださり、ありがとうございました。
ムカゴも無性生殖なんですね~。

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