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質問

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黄金時代の推理小説で、あなたが一番お勧めの作品を教えてください。
またお勧めのポイントも詳しくお書き下さい。
(日本の作品は除きます)

===補足===
お勧めポイントに関しては、できるだけ気合いの入ったコメントを望みます。

  • 質問者:はれ
  • 質問日時:2009-06-25 11:19:39
  • 0

忘れられないのはクイーンの「Yの悲劇」ですね。

まだ小学生の頃、学校の「読書クラブ」に入っていて、週に一度か、あるいはもう少しは多かったのかな、午後の一時限を図書館の読書に当てられた。至福(笑)。
で、毎回、「感想ノート」みたいなのを書くわけで、長編小説の場合、当然切れ切れの感想になり。
ましてや長編ミステリともなると、この「感想ノート」はかっこうの「引っかかった記録」になったのだった(笑)。
とはいえ、さすがにもうほとんど記憶はないのだけれど、エラリー・クイーン「Yの悲劇」については、割と細かく覚えている。やはり、伏線、手がかり、ミスディレクションが魅力いっぱいに散りばめられて、毎回予想を覆されながら読み進んでいき、そして結局はまんまと騙された……この快感が大きかったのだと思う。
この「Yの悲劇」を読む少し前くらいに、ヴァン・ダイン「グリーン殺人事件」を読んでいて、この作品で『××××が犯人』というパターンに初めて出会い、そして騙された(笑)という体験があったので、似たような設定――館モノである「Yの悲劇」にはチャレンジ精神を刺激されたらしい。読みながら、せっせと予想をたて、推理を巡らせて感想ノートを書いたのを覚えている。
「××××が怪しい」と、まず推理した。これは、やはり「グリーン殺人事件」からの直接的な類推だったろう。そして次には、「○○○○が怪しい」。思いきり、作者クイーンのミスディレクションに引きずり回されていたわけだ。
というのは、これもまた、この「感想ノート」のことを比較的具体的に覚えている理由であるのだが、「Yの悲劇」のクライマックス、名探偵ドルリー・レーンが真犯人を指摘する場面で、読んでいた子供の私にとって、とても印象深いことが起きたからなのだ。

「犯人は、××××でしょう?」
ブルーノ検事が言った。
「違います」
レーンは答えた。
「○○○○ですね!?」
サム警部が勢い込んで言った。「私は最初からそんな気がしていたんだ!」
「違います……」
レーンは答えた。
「違います……」
ゆっくり、そう繰り返すと、続けて静かに告げた。
「犯人は……☆☆☆☆なのです」

この場面!
なんと、自分が推理していた過程と全く同じ流れで、犯人が指名され、そしてそれが、否定された。そして、もっとさらに意外な犯人が指摘された!
これが、インパクトがあった。
「ということは」
と、子供の私はひとりごちた。
「ぼくのレベルは、サム警部程度ということだな。ブルーノには、勝った」
勝ったもなにも、作者クイーンの思惑通りに推理「させられ」、完全にノックアウトだっただけである。
この体験が、作者の企みに挑む楽しさと、そして、にもかかわらずまんまと騙される快感を教えてくれた。
以来、「本格」好きでいる。いわば、この「Yの悲劇」はミステリ好きの始まった原点みたいなものなのだ。

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とても参考になり、非常に満足しました。回答ありがとうございました。
お礼コメント

至福の体験でしたね。
読んでるこちらの方にもありありと感動が伝わってきました。
ありがとうございます。^^

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ジョン・ディスクン・カー 三つの棺

ややこしいのが大好きなので

  • 回答者:匿名希望 (質問から5時間後)
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参考になり、満足しました。回答ありがとうございました。

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