不満はあるにしてもいちおう平穏に暮らしていけるのも我が国が法治国家だからです。
ヤクザとはアウトロー連中のことだとすれば、彼らは法を破ることを日常としているのですから、われわれにとってよい存在ではありません。
ただ彼らをかっこいいと思うのは、自分に自信がなかったり自分が社会的に弱い立場にいる人たちの心の中を表してのだと思います。
社会に不満があって犯罪に走る人がいますが、彼らは殺人によってうさを晴らそうとします。
しかし金銭によって不満が解消されると思う人たちは、もっと長い目で自分たちの欲求を満たしたいと思うものです。
それには経済やくざのようなものがぴったりなのでしょう。
ゲームの人気は現実の不満からの逃避として理解はできますが、現実のやくざとの付き合いを自慢する床屋のオジサンは理解ではませんね。
もちろんやくざであってもその家族には堅気の人以上に優しいということもあるようですから、悪魔のような人間はいないのかも知れません。
いや、悪魔であっても悪魔になりきれない場合もありますね。
余談ですが、脱法をする人間がやくざと考えると、世の中には大小さまざまなやくざが存在していることになります。
企業の人間だってカルテルを組めばやくざになります。
ドライバーだって駐車禁止を無視すればやくざになります。
ゴミのポイ捨てをしただけでもやくざになります。
これではきりがありませんね。
そこでやくざとは暴力的行為をちらつかせて犯罪を行う集団に属するか、それらと同様の行為を行う者とでも定義しないとわかりにくいです。
覚せい剤やドラックでは素人も手を出すのでやくざとは言えないからです。
基本的にやくざは組織を頼みとするものです。
個人だったらただのチンピラどまりですね。
テレビや映画のやくざは「収入」の場面が描かれないので、ほとんどが「任侠道」の世界になっています。
だからかっこよく見えるのです。
それに対して不満はあっても口には出さず、だだこつこつ家族のために働くお父さんのほうがずっとかっこいいと思いますよ。