おっしゃるとおり、鶏卵は、通常温度(20℃付近)で生産者から店舗まで非冷蔵で流通しているのが普通です。
日本養鶏協会という組織があって、農水省の下で生産者として管理基準を持っていますが、その組織が大学等に依頼して保存温度と鮮度に関する試験を行っています。(下記参照)
http://www.keimei.ne.jp/article/20061215t1.html
試験では、保存温度を10,20,30℃の3段階で設定していますが、結果として、20℃でも衛生面から見ると6週間経っても問題は生じなかったということです。
したがって、衛生的に管理出荷されている日本国内の鶏卵については、生産日も記載されていることですから、通常の消費期間であれば常温保存で全く問題ないといえることになります。
卵は、それを産んでいる雌鶏が健康であれば、基本的に内部は無菌の状態で産み落とされます。ひびが入ったりしていれば別ですが、そういうものは見れば判りますから問題外ですね。
無菌状態の卵なのですが、さらに、白身の部分には卵白リゾチームという殺菌作用のあるタンパク質が入っていて、たとえ卵に傷が付いて細菌が入ったとしても、すぐに菌が繁殖してしまうことがないようになっています。それも手伝って、買った卵が腐ることは滅多に起こらない訳です。
さて保存温度に戻りますが、上で述べた生産流通組織でも、試験結果もふまえて10℃保存を推奨しているのですが、その意味は、衛生面で万全を期すという意味と、もう一つに、黄身、白身の張りという見た目の要素を新鮮に保てるという意味があるようです。
10℃以下で保存すると、2週間程度は黄身の弾力、白身の弾力にほとんど変化が起こらないことが判っていて、その方が、使う側も安心だという心理的理由だと考えることができると思います。
私自身の経験からいっても、冷蔵庫保存しておいたものは室内放置のものよりも白身が固く、黄身もまん丸に近い状態だと思っています。味は、変わらないですがね。
ということで、わざわざ長期間放っておくことはない訳ですから、試験結果からも常温保存でなるべく新しいうちに使い切るということなら、冷蔵庫保存は行わなくてもかまわないという結論になると思います。