医学的に整形外科で行う、超音波やレーザー治療は本当に有効なのでしょうか？効果は痛みの緩和だけなのでしょうか？|質問・相談が会員登録不要のQ&AサイトSooda!(ソーダ)

リハビリの仕事をして、超音波を時々使用しています。
残念なところ、ほとんど効果は期待できないですが、稀に効果がでることもあるため、一応使用しているといった程度です。
超音波については、出力を強くすると通常のホットパックなどの温めでは加温が期待できない深部の組織に、振動による加温効果が期待できます。しかし、強い状況で長い時間同じ部位に当ててしまうと気泡化が患部で起こってしまう危険性があるので、患者さんに任せるべきではなく、付きっ切りでするべきです。違う方法で加温をしていますので、わたしは加温目的で使用するのはホントに稀です。
出力が弱い領域では、コラーゲンなど治癒中の線維などの配列を整えて、治癒を綺麗に、かつ促進してくれる効果が期待できます（美顔機の多くはこれを使用しています。）私は腱断裂などの損傷の手術後などの患者さんに適応しています。癒着（＊）も少なく、大変良い結果になった患者さんもいます。ただ、使わなかった場合との比較ができませんので、他の患者さんと比べて、という判断でしかありませんし、患者さんの間にも元々治りやすい人、治りにくい人がいるので、一概に超音波の効果であるとは言い切れません。また、全く効果を示さない患者さんが大半であることは間違いありません。
（＊）腱が断裂などした後は、周りの組織とある程度くっつく（癒着）ことで腱は治ります。しかし癒着すると腱の滑走が阻害されて、指などが完全に曲げたり伸ばしたりできずに後遺症として残ります。それを軽減してくれる場合があります。

レーザーは加温が大きな目的ですが、目にあてれば失明などの危険性もあるため、本来患者にやらせておくというのはしてはいけません。わたしも一時期使用して効果判定をしてみましたが、差が感じられませんでしたので、時間の無駄と思い、今は使用していません。

まとめます、
否定的な面から申し上げますと、多くの人ではやってもやらなくても一緒。また禁忌の人に行うと神経など過敏になって悪化する場合もあります。また、肩こりなどに対して使用するのは多くの場合無意味といえるでしょう。よっぽど違う治療法があります。こういった機器はあくまで補助治療であり、その後の徒手的な治療などが重要です。
肯定的な面を申し上げますと、痛みの緩和がはかれる場合があることや、治癒が早くなることがあるので、適応患者にはやってみる価値はある場合もある（ただし、適応はちゃんと判断するしなければなりません）。また、やったことで精神的に良くなるという場合もあります。病は気からとありますが、時々怪我などにとらわれすぎて、精神的な原因から痛みを増強してしまう人もいます。

結局は処方する側が、逐一変化を確認し、効果判定をしながら活用すべきで、時間稼ぎや、治療できないことをごまかすために機械に頼るために、誰でもかんでもやらせるというのはするべきでないと思います。残念ながら、そうしている医療機関があるのも現実です。患者が皆同じように治療機器を使っている医療機関で、質問してみたら、おそらくちゃんと答えられる人はいないでしょう。そもそもちゃんと患者にあった設定（周波数など）がしてあるのか怪しいものです。
ちゃんとした医療機関に出会えるかは運でもあります。それは悲しい現実ですね。
効果が実感できない場合は、ちゃんと納得の行くまで質問をしてみることや、別の医療機関に行ってみることもおすすめします。

参考にして下さい！

回答者：リハビリ (質問から6日後)
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